西暦2028年。
ここ日本ではマヨネーズの製造や輸入がいっさい禁じられている。
それというのも10年ほど前、
日本人の8割が深刻なマヨネーズ中毒にかかり、
国の機能がほぼ完全に麻痺してしまったためだ。

今ではマヨネーズの取り締まりは覚醒剤以上に厳しい。

若い世代はもうマヨネーズの味なんか覚えていない。
小さいころに体験したっきりなんだから無理もない。

だがオレたちオトナは覚えている。
熱い青春を共にした、マヨネーズの情熱的な味を。
老若男女すべてを狂わせる、あの破滅的な衝撃を。

オレは大陸から小船に乗って命がけで密帰国し、
この日本にこっそりマヨネーズを持ち込むことに成功した。

さあ、ひれ伏せオンナども。
マヨネーズ様の圧倒的な暴力を前に、
すべてを(って言ってもカラダだけで十分だけど)差し出すのだ。