生物である以上日常生活の中でのいろいろな場面で訪れるもの……欲求。その中でも本作で生徒たちを苦しめる欲求は排泄、排尿欲求。人間である以上トイレという体の中にため込んだ汚物を外に出すことが許される場所以外でこれらの欲求を満たすことは許されない。
　それはごく当たり前のことだが、その当たり前のルールを守ることが難しい場面があることもまた事実。特に学校という時間に縛られた場所で。まだ未熟な○供たちがその欲求と上手に付き合っていくことはとても簡単なことではない。
　特にこの学校では……。絶望的な環境、体質、状況の中で必死に人間としての尊厳を守るべく、欲求を我慢し、学校生活を送っているまだ大人というには○すぎる生徒たちの苦難をのぞいてみよう。市立天野川✕学校。その学校には少し変わった特徴がある。この学校では生徒のおもらしが多発するのだ。
　もちろん小さなころからおもらし癖があったり、おもらしが治らない生徒も中にはいるが、どんなにしっかりしている生徒でも、この学校に在籍中に1度は恥ずかしい失敗を経験してしまうのだ。

　それも学校側の休み時間や授業時間の長さ、トイレの設置数などのカリキュラム・環境ともに特に問題がある部分はなく、一般的なものである。トイレ休憩をとることのできる休み時間もいたって平均的な長さだ。

　そんな市立天野川✕学校は今年も新入生を迎える。その新入生の中の一人に『水谷 音暖香』(みずたに ののか)という小柄でかわいらしい少女がいる。彼女は小さいころからおもらしが治らず、この学校に入学する前から何度も恥ずかしい失敗を重ねている。

　今年の新入生たちはこの天野川✕学校で無事に恥ずかしい失敗をせずに卒業することはできるのか⁉
　そしてこの学校に在籍している在校生も、これまで失敗していない生徒はこのまま失敗をしないように、すでに失敗している生徒はもう失敗しないように、毎日の過酷な戦いが幕を開ける。入学式を無事(?)に終えた音暖香たち新入生。いまだに続く大きな緊張と希望を胸に、学校での新生活が始まる。
　登校初日これから始まる学校生活に胸を中ならせるもの、緊張で足取りが重いものと二極化している。もちろん音暖香は後者だ。
　音暖香、水萌、咲の3人は仲良く学校へ向かう。

……少し時を戻して、入学式当日。実は音暖香以外にも尿と戦っていた生徒がいた。その生徒は水萌だった。学校生活初日を無事に終え、家で水萌は入学式での失態を思い出して一人恥ずかしくなっていたのだ。◆構成
全35ページ

内訳
表紙　1P
おまけ　2P
本文　32P(カラー挿絵6P を含む)

◆クレジット
シナリオ・イラスト・作家
あゆてる
Twitter
〈 〉
pixiv
〈 〉