本来の世界とは少し違った道を辿った現代日本。
そこではいつからか【迷宮】と呼ばれる機構が出現するようになった。
いつからあるのか、何のために出現しているのか誰にもわからない。
ただ一つ言えることは、迷宮の中から出現する物質は現在の科学では全く解明不可能、かつ超常的な力を持つということだけだ。
無限の水を発生させる装置、動力原理も不明だがひたすら回り続ける車輪、死者すらも蘇らせる奇跡の薬------------
そんな物を持ち帰った日にはその後の人生を100回豪遊したとしても有り余るほどの富が得られるだろう。
あるいは、有人史が始まってから誰も踏み入れたことのない迷宮の最奥を目指し、歴史に名を刻むことを夢見る者も存在する。
そんな彼らは【ランナー】と呼ばれていた。表向きは迷宮を駆け抜ける者たちを意味するが、実際は自分の人生をまるで死に向かって駆け抜けていくような様から付けられた称号だ。
彼らは皆・・・夢や希望、あるいはやむにやまねる事情を持って迷宮へと挑んでゆき、そしてその殆どは、志半ばでその命をを迷宮内で散らしていく。
迷宮は決して、人類にとって有益なものを提供し続ける訳でない。
不定期に変化する構造____ひとつ前の階層では溶岩流れる火山地帯であるのに、次に進むと無重力の宇宙空間とおぼしきフロアになったりする。
様々なトラップ______落とし穴や釣り天井といった古典的なものから、ある場所へ転移してしまうもの。中には記憶を失ってしまうというある意味最も悪辣な罠も存在する。
自分が何者なのか、どうしてここにいるのか思い出せないまま命尽きるまで彷徨うことになるのだから。
そしてもっとも迷宮内での死亡率の高い原因が______【ネイバー】と呼称される敵性存在だ。
迷宮内でランナーを見つけると、積極的に攻撃を仕掛けてくる。
さらにはただ攻撃するだけでなく、動けなくなったランナーをどこかへ連れ去っていくという行動も行う。
実際、ネイバーが原因によるものと思われる行方不明者は死亡者のそれとほぼ大差ない。
なぜそんな行動をとるのかも判明していない。
迷宮内でネイバーに連れ去られた者が帰還した例は、ただの一度も報告されていないのだから。
そんな危険と隣り合わせの危険地帯に、今日もまた一人、新たなランナーがやってくる・・・・
～第一話　新人ランナー　メリィ　壁尻編～
ランナー達をまとめ上げ、各々の実力にあった階層制限を設ける組織がある。
【ランナーズ・ギルド】。通称【ギルド】と呼ばれるその組織は、かつて最高到達深度に到達した英雄パーティーの一人が創設した。
かつては各個人がバラバラに、あるいは相性など考えずに気の合う仲間だけで攻略していたため、遅々として迷宮攻略は進んでいなかった。
ギルドは各個人の能力を管理し、迷宮攻略において相性の良い者同士をマッチングさせるといった人員管理や、迷宮から持ち帰った物体を鑑定・買取を行っているため、ランナー達にとってはもはやなくてはならない組織だ。
そんなギルドに、あまり見かけることのないであろう人種が訪れていた。
彼女の名前は【メリィ・クリスティーナ】。都市で最も大きな学園に通う女子学生である。
なぜそんなお嬢様である彼女がこのような場所に訪れているのか。
迷宮に挑戦したとして、果たして彼女は無事に生還することが出来るのか。
彼女の挑戦の記録を見ていこう________
この作品はAIで生成されています。