後輩が官能小説を読んでいることが発覚してからしばらく。

以降も朗読や討論会が続き、すっかりと官能小説を読みかわす部活動へとなっていた。

不思議な事はちゃんとした部活動であり【不純な関係】に発展しなかった点である。

今日もまた部活動のために部室に向かうと中からは艶めかしく喘ぐ女性の声が――

「これはもしや……喘ぎ声なのでは?」

本の中だけのいやらしいシチュエーションがとうとう現実にやってきたのか!?

だが、まて。

中に居るのはきっと後輩だろう……彼女がそういう不用意な事をするとは思えない。

もしかして試されてるのだろうか……?

「……知らないふりしてドアを開けよう」

期待半分、不安半分でドアをガラッと引くとそこには――【あくまで放課後の1コマ】
文芸部の二人は真剣に官能小説を分析しています。
作品の方向性や特徴の分析、ヒロインの心情を共有し、女性の感性を聞き手に伝えてくれています。
その中で【後輩ちゃん】の心情とリンクしたり部長だった先輩の好みを聞き出そうと心理戦を(一人で)繰り広げています。
ちょっとずつ変化する後輩ちゃんの心情を反映させた第2幕が始まります。

【書き下ろし官能小説第2弾】
今回の作品は第三者視点の語りではなく作品内登場人物のメイドが語り手になっています。
予測や想像ではない、彼女自身の想いと声を聞き手に直接伝えてくれるストレートな作品です。
表現される内容や言葉は年相応の少女の知識で組み当てられた内容で、独白のような、日記のような理解しやすさが特徴になっています。あらすじ:とあるお屋敷に仕えるメイドの少女はご主人様である若旦那様に恋をしている。
　　　　　だが身分の違いが大きすぎるため成就しないことも承知で今日も若旦那の出かけた部屋で残り香を嗅ぎながら自らを慰める。
　　　　　声が抑えきれなくなりいつもよりも激しく行為に耽っているが、戻ってきていた若旦那の存在にドアが開かれるまで気づくことはなかった


〇メイド
　20代前半の若いメイド。
　ご主人様である若旦那様が大好き。
　学生の頃からお付として仕えて好意も愛情もすくすくと育っていったが身分の違いを気にして我慢している。
　ご主人様を眺めていて壁にぶつかったり、物を壊したりをよくするドジっ子。
　
〇若旦那様
　20代前半の青年。
　学生の内に父から小さな会社の経営を訓練として任され軌道に乗った今も忙しく駆け回っている。
　疲れているときに新人であるメイドのアクシデントやトラブルで元気をもらったことから自分の専属に引き抜いた。
　何年も一緒に過ごしてきて愛情が芽生えているがもしかして家族愛なのだろうか?と男女のアプローチはしていなかった。
　今回メイドの艶姿を目に入れてしまい行為の方向性を女性として愛しているのだと再確認する。イラスト:天音るり
　

CV:明日葉よもぎ
　
　

シナリオ:だねっとさん
　

制作:ボイスポプリー