「……ん?　あれ、あの子はたしか…」

その女性は俺が住んでいる賃貸マンションのオーナー兼管理人の娘さんだった。
たしか名前は…そう、ちぐさ…。

柚幡(ゆずはた)ちぐさ　だ。

「あ……えーと。ああ…たしか、ウチの上の階にお住いの……こ、こんにちは」

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――――彼女の話によると、仲のよかった知人男性に裏切られた
…簡潔に言うとそういうことらしい。ひと月ほど前の話。

怖い思いをしたことだろう。
アレだ。人間不信になるきっかけになりそうなやつだ。

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「そうそうちょうど良かった。はい、これ。
　前にちぐさちゃんに渡したいって言ってたやつ」

「わわ…！　おばさま、今はちょっと……っ！」

目の前のテーブルの上に店主が一冊の本を乗せる。

『痴女啓発マニュアル　～エッチな女子になるために必要なこと～』

衝撃的なタイトルの本を置かれ彼女はすかさず俺から視線を外し
真っ赤になって俯いてしまう。

「いろいろ考えたけど……最近の本だとこの辺りが入門として
　ちぐさちゃんにお勧めかなってね」

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「悩んでるときにおばさまに相談してて…それで、その
　…何かのきっかけが欲しくて」

「私と全てが正反対で…それがいつも羨ましくて憧れで。
　お話してても楽しくって」

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「ま、満足してもらえまし…た?
　いろいろ試しながらだったもので…」

……確かに変わりたいって言ってたけど、ホントに
こういう方向でいいのか?

「ヤだ…わりと平気だった……のに、見られたら
　……感じちゃう……んっ…」

！！！！！　難しい…これは難しいぞ?　痴女?　に憧れてる故にいろいろと
本の通り実践しているようだけど…。
『痴女』と『変態』の境目って……！?

非常に魅力的だが…危ない。危ないぞ、ちぐさちゃん。

「……私、エッチな女の子になるために……めっちゃ頑張って…ますっ」

エッチだ。エッチ、ていうか
どエロ、どスケベだ。だけどさ……。
彼女を心配する気持ちとは裏腹に
股間が痛いほど張っていくのが分かる。

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■全編カラー　ページ数　188P
　基本ベース絵　14枚+α
　(使い勝手いいかどうか微妙な4K壁紙のオマケ付)

■イラスト:あおでんち
　シナリオ:柑橘類あきる
　サークル:どろんこビーツ